2000年1月22日
熊本県天草郡河浦町 吉田忠生
アサクサノリ
葉体は膜状で倒披針形から楕円形で、基部は楔形から円形になり、縁辺は全縁でひだがある。体は1層細胞からなり、厚さは28―35μmである。雌雄同株体と雄性体があり、同株体では精子嚢が細長いすじ状に集まる。  内湾の汽水域の潮間帯に生育する。1970年ころまでは養殖海苔の大部分を占め、北海道から九州までの内湾でふつうに見られた。養殖に用いられることが少なくなって、自生地が激減した。近年、熊本県や宮城県などの数カ所で生育が確認されたに過ぎない。
 
野生アサクサノリの生育地
1995年から1999年にかけて行った現地調査で宮城県鳥の海,長面浦,福島県松川浦,熊本県河浦町などで野生状態のアサクサノリの生育が確認された。
2005年にレッドリスト改訂に伴う調査で長崎県の船津川,笹川,江迎川,安満川の河口近くでアサクサノリが採集された。いずれも過去に養殖場になったことのない場所である.九州の生育地を地図に示した。
2006年になって東京湾の多摩川河口と,広島県呉市の黒瀬川河口でもアサクサノリと同定される標本が採集された。3月に黒瀬川河口でとれたものは幅広で大型の個体である(写真)。
                                                     (吉田 忠生)
 
野生アサクサノリ多摩川河口で確認
神奈川県川崎市の多摩川河口のアシ原でアサクサノリの生育が確認された。このニュースは2月2日のNHKで放映された。
                                                 (千葉県:菊地則雄)

呉市黒瀬川河口のアサクサノリ  2006年3月2日 田中 博