口永良部島のオキチモズク
鹿児島県ではすでに川辺町清水,末吉町諏訪方,奄美大島龍郷町大勝の3箇所でオキチモズクの生育が確認されている。さらに新しい生育地が見つかった。

 2006年8月に口永良部島金岳小学校の北健二郎教諭から,鹿児島水族館の宮崎 亘氏を通じて標本(写真1)が送られてきた。藻長10cm以下で分枝様式がすこし他の生育地のものと異なるけれども,構造的にはオキチモズクであるといえるもので,驚かされた。その後,12月にも標本を送っていただいた。8月のものよりも藻長は大きいものだった。

 2007年4月に鹿児島大学寺田竜太准教授と現地を訪れる機会を得た。北教諭は転勤され,川崎正清校長に現場に案内していただいた。金岳小学校前の道路の側溝にオキチモズクは生育していた。この水路には上流の休耕田から湧水が流れ込んでいる。この流入部から約30mの範囲にオキチモズクがみられる。オキチモズクは水路の側壁,底面の小石などに着いている。藻長は長いもので16−17cmであり,分枝が多い点は以前のものと同様である。ほかにカワゴケも見られる。下流部では側溝が蓋で覆われている。

 8月の標本にはオキチモズクの上にインドオオイシソウの数cmの体が着生していた。今回観察したところ,数mmの小さな藻体が見つかっただけだった。

 島の人たちは昔から生えていて,特別なものとは思わなかったと話してくれた。奄美大島でオキチモズクが発見されたという新聞記事を見て,関心を持ったとのことだった。この場所には川崎校長の発案で看板(写真2)が設置されている。

 5月17日付けの南日本新聞朝刊に記事が掲載された。また,同じ日の記事として川辺町中山田の用水路でも多数のオキチモズクの生育が勝目農村環境推進協議会によって確認されたとのことである。


(吉田 忠生)

 
オキチモズク 口永良部島2006年8月 インドオオイシソウ着生
川崎校長(右側)