鹿児島県下のオキチモズクの産地

淡水産の紅藻オキチモズクは愛媛県温泉郡川内町の「おきち泉」で八木繁一氏によって発見され,1940年に命名記載された.その後,長崎県国見町の土黒川,熊本県南小国町万願寺川でも発見され,この3箇所は国の天然記念物に指定された.このほか福岡県,熊本県,長崎県でも見つかり,計11箇所の産地が報告された.このうちいくつかの場所では絶滅したとされる.環境庁編のレッドデータブック(2000)では絶滅危惧I類と評価されている.
 鹿児島県では1995年以降の調査で確認されたことのないオキチモズクを,2002年5月,水草調査中に川辺町清水の水路で発見した.長崎大学の飯間雅文氏にも2003年6月に現地を見てもらい確認した.このことが南日本新聞に掲載されると,末吉町の加治木正昭さんが自宅の近くの水路に同様な植物が生育していることを知らせてくださり,6月に現地を訪れ,生育を確認した.11月に再度現地を見たときには,コンクリート張りの水路の底一面に長さ30cmになるオキチモズクが多数生育していた.
 古い記録によると,日置郡郡山町の神の川と菱刈町の芋田川でも生育していたとのことであるが,その後確認されていない.
                          (かごしま水族館 宮崎 亘)
川辺郡川辺町のオキチモズク生育場所
曽於郡末吉町のオキチモズク生育地